代わりのきかない自分ってありえるか

情熱大陸を見た。今回はウェディングドレスデザイナーのJunko Yoshiokaさんの特集。

Yoshiokaさんは、学卒後単身渡航したイタリアでの5年間の生活でデザイナーとして認められなかった悔しさをバネにN.Yで成功を収めた。
Yoshiokaさんの自信はすごい。客に他のショップでの何十着もの試着を勧めたりする。
それでも選ばれるというプライドを持っている。
自分の作るものは他の人が作るものとは全く違うという自負。


翻って、自分はどうだろう。
正直言って、自分がクライアントに提供する価値が唯一無二、代替不可能だとは全く思えない。
ただ既に世にあるもの同士の組み合わせの妙を生み出すこととスピードとはそれなりにクライアントにも認められている価値かと思う。


知識社会にあって本当に代替不可能なものは考え続け行動し続ける自分でしかない。
アウトプットしたものは拡大再生産され(されるだけマシ)ていくわけだし。
矢沢永吉も言っていた。俺はライブだ、と。


キャリアについて考えていたときにふと気づいた。
梅田望夫に共感する理由。それは人生において「戦略性」という概念を持ち込み、徹底的にそれを貫いているから。
つまり彼のWebに対する考え方に狭義で共感しているというより、彼の生き様に広義で共感しているのだ。


「戦略性」とは「対象」と「タイミング」がキーだ。
彼の「戦略性」は、もちろん「対象」の切り取り方にも現れているが、むしろ果断な「タイミング」の決定が特徴的だ。
シリコンバレーへ進出したタイミング、コミュニケーション対象を若手に絞り込んだタイミング、サバティカルに入ったタイミング。。。
三者が後知恵で四の五のいうのは簡単だが、当事者としてそのタイミングで意思決定できたのはやはり驚嘆に値する。
そういう意味では、彼は一種のプラグマティストと言ってよいのではないか。


そしてそんな彼が共感するものにはこれまた不思議と共感できるものが多い。好きな小説とか。これも一種の「憧れに憧れる」という構造か。ただし共通の憧れがいるという意味でだが。